うーん

わたしの今年の春先くらいまでの認識だと講談社メフィストって賞は、ミステリっぽいジャンルでそれなりに愛好家のかたがたに受け入れられている賞、というものだった。西尾維新いいよね。
六枚のとんかつ」を読んで、あ、これはもしかしたらユーモラスなものも許容されている寛大な賞なのかなという印象をもつことになる。「大久保町」とかでも許されるのか、みたいな。やるな、講談社、とも思ったりもした。
ちなみんわたくし「闇なべ」大好きです。
ところが、ゆうべ文春文庫「Jの神話」を読了するにあたり、その考えは改めなければいけないと強く強く思いました…と言わざるを得ない。

なんじゃあれは。

文春文庫「イニシエーションラブ」を読んで、趣味ではないながらもお話の仕掛けに感心し、ならばほかの作品も面白かろうと、続けて同じく文春文庫「リピート」読み、純粋な(即物的な)登場人物たちの言動に辟易しながらも、他者の作品のストーリーを大胆に借用するアイディアにプロットに驚かされ、ならばデビュー作はどんな感じだろうまたまた同じく文春文庫の「Jの神話」に手を出してみた。これが「J」を読んだ動機であるわけ。

文春文庫だめじゃーん。
刊行順を逆にしなさーい。

「イニシエーションラブ」はたまたまだったんじゃないの?
あっちがなんか賞をとるのならわかる。
でも「J」はない。

と、無駄に血圧をあげてしまったのであった。