ふだんタッチパッドを使わないのでぜんぜん気がついていなかったんですけれど、これって「タッチ」なのね。

ネット上ではわりかし「これ便利サイコー」みたいな感じで言及されることが多いMacのキーボード手前のあれ、ふーん、なんて斜に構えていたわけです。だって初めて買った某社のタッチパッド搭載ノートパソコンがもうそれはそれは使いにくくて、手のひらが触れた瞬間にキャレットがどこかに吹っ飛んでくし、そのくせピンチインピンチアウトがカクカクして思うようにならないし、指を動かしてもそもそも反応しなかったりで、ストレス充填100%だったんすよ。だから設定で機能をOFFにしたった(鼻息)。

それ以来ずっとその手のものは「まずOFFにする」習慣が身についた、と。

そして10数年後、わが家にMacBookAirが(楽器として)やってきました。触れたことのない文化。新鮮な操作感。自然と鞄に入れて持ち歩くことも増えてきて、そこで発生するのがみなさん経験があるであろうアレ。

「マウス忘れた」

あわてて百均やコンビニに駆け込むもマウスは置いてない。置いてあるところもあるって言うじゃんと憤慨しつつ、動物占いチータのわたくし、すぐにあきらめるわけです。あきらめるのに何の躊躇もない。日々ありとあらゆることをあきらめて過ごす、いわばあきらめのプロ。職人と言ってもいいかもしれない。なにをどうやってあきらめるか、ほかにあきらめる余地は残ってないか、みつめるわたくしの目は厳しく光ります。

で、しゃーなしの心境で喫茶店などに入りMBAを「こそこそ」と広げ……いやだって過去の言動を考えると偉そうに人前でMBAを使うなんて許されないもん。愛機を自慢してくるくるマカーがいれば「お、喧嘩売るのか」ぐらいの勢いでしたから。

しかしながら、ハードもソフトも他のOSに劣るところなんてなかったMac。わたしが悪かった。見識不足でした。いいマシンです。

リンゴマークが見えないようにケースに入れ、うっすら透けたマークの上にステッカーを貼ってますけどね。

で、で、10数年も前の記憶でもって左クリックは左手前の隅をかちりと押し込み、右のダブルクリックは右手前の隅をがちがちと連打し、カーソル移動するときは目的の場所に移動してタッチパッドをぽんぽんと2度打ちするなどして作業を始めたんだけどなんか違和感がある。あれ、これ使いやすくなくない? おっかしいぞ? なんでだ?

そこで横浜の天才児と呼ばれたことのないわたくしは数日後ハタときがついた。

これ、クリックじゃなくてタップでいいのね?

しかもタッチパッドじゃなくてトラックパッドっていうのね?

 

あー。無駄な時間こそが人生なんだなぁ。